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ソフトバンクグループ、HAPS向け軽量耐久素材をTOPPANと共同開発—Sungliderの実用化加速

2026年4月28日の期末配当開示と同時に、ソフトバンクとTOPPANホールディングスが成層圏通信プラットフォーム向け新素材の開発を公表、翼面荷重は大型鳥類並みに。

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ソフトバンクグループ、HAPS向け軽量耐久素材をTOPPANと共同開発—Sungliderの実用化加速
2026年4月28日の期末配当開示と同時に、ソフトバンクとTOPPANホールディングスが成層圏通信プラットフォーム向け新素材の開発を公表、翼面荷重は大型鳥類並みに。Credit · 日本経済新聞

要点

  • ソフトバンクグループ[9984]は2026年4月28日、期末配当に関する適時開示資料を公表。
  • ソフトバンクとTOPPANホールディングスは、HAPS(高高度疑似衛星)の翼向け軽量かつ耐久性のあるスキン素材を共同開発。
  • 開発素材はソフトバンクのHTA(Heavier-Than-Air)型HAPSプラットフォーム「Sunglider」に適用される。
  • Sungliderの翼面荷重は約800kg/m²のボーイング747の100分の1で、アホウドリや白鳥などの大型鳥類に匹敵。
  • 1979年の人力飛行機「ゴッサマー・アルバトロス」が英仏海峡横断に成功し、1981年の「ソーラー・チャレンジャー」は完全太陽光飛行を実現。
  • NASAの「ヘリオス」(1990年代後半〜2001年開発)は翼幅約75メートル、全翼面に太陽電池を搭載し高度20km以上の成層圏持続飛行を達成。

配当開示と同時に明かされた新素材開発

ソフトバンクグループ[9984]は2026年4月28日、剰余金の配当(期末配当)に関する適時開示資料を公表した。同日、同社はTOPPANホールディングスとの間で、高高度疑似衛星(HAPS)の翼向けに軽量かつ耐久性の高いスキン素材を共同開発していることを明らかにした。 この新素材は、ソフトバンクが開発中のHTA(Heavier-Than-Air)型HAPSプラットフォーム「Sunglider」への適用が予定されている。配当の詳細と並んで、素材開発の発表は同日に行われ、両プロジェクトが同時進行していることが示された。

Sungliderの極低翼面荷重設計

Sungliderの翼面荷重は、ボーイング747の約800kg/m²の100分の1に過ぎず、アホウドリや白鳥などの大型鳥類と同等の値である。この極めて低い翼面荷重により、ジェットエンジンのような大推力は不要で、揚力発生に必要なエネルギーは大幅に抑制される。 対照的に、ボーイング747は多数の乗客と貨物を運ぶため、約800kg/m²の翼面荷重を支えるために毎時約10キロリットルの燃料を消費する。Sungliderの設計は、こうした従来の航空機とは根本的に異なるアプローチを採用している。

素材革新が通信史を変えた precedent

ソフトバンクとTOPPANは、通信技術の歴史において、素材のブレークスルーが飛躍的な進歩を牽引してきたと指摘する。1970年代に開発された超低損失シリカ光ファイバーは、減衰を劇的に低減し、光通信の実用化を可能にした。 一方、HAPSの機体技術は1990年代にほぼ成熟したが、2020年代により大きな通信ペイロードを支えるには、さらに高性能な素材が必要とされている。今回の共同開発は、この課題に応える位置づけにある。

HAPSの系譜—ゴッサマー・アルバトロスからヘリオスへ

HAPSの概念は、1979年に人力飛行機「ゴッサマー・アルバトロス」が英仏海峡横断に成功したことに遡る。1981年の「ソーラー・チャレンジャー」は、エネルギー源を完全に太陽光に依存した飛行を実現した。 重要なマイルストーンは、NASAが1990年代後半から2001年にかけて開発した「ヘリオス」である。翼幅約75メートルの全翼機で、従来の胴体を持たず、翼全面を太陽電池で覆い、高度20km以上の成層圏での持続飛行を科学観測目的で達成した。

実用化への展望と残された課題

Sungliderは、こうした先駆的機体の系譜を受け継ぎつつ、通信プラットフォームとしての商用化を目指している。軽量耐久素材の開発は、より大きなペイロードと長期滞空を両立するための鍵となる。 現時点では、Sungliderの実用化時期や量産計画は明らかにされていない。素材開発の進捗とともに、規制当局の認証や運用コストの低減など、乗り越えるべきハードルは少なくない。

まとめ

  • ソフトバンクグループは2026年4月28日、期末配当の開示と同時にTOPPANとのHAPS向け新素材開発を公表した。
  • Sungliderの翼面荷重はボーイング747の100分の1で、大型鳥類並みの低荷重設計が特徴。
  • 通信史は素材革新(光ファイバーなど)が飛躍を生んできた precedent があり、HAPSでも高性能素材が鍵。
  • NASAのヘリオス(翼幅75m、全翼太陽電池)はHAPSの直接の先駆けで、高度20km以上の成層圏飛行を実証。
  • Sungliderの商用化には素材開発に加え、認証やコスト課題の克服が必要。
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