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JR西日本、JAL・ANAと連携し2030年代に鉄道・航空のシームレス予約へ

関西空港駅発着の特急「はるか」などで先行施策を検討、訪日客向け予約システムも統合へ

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JR西日本、JAL・ANAと連携し2030年代に鉄道・航空のシームレス予約へ
関西空港駅発着の特急「はるか」などで先行施策を検討、訪日客向け予約システムも統合へCredit · 日本経済新聞

要点

  • JR西日本は4月30日、JALおよびANAと連携協定を締結した。
  • JALとは2030年代をめどに鉄道と航空の予約・決済を1つのサイトで完結させる。
  • ANAとはインバウンド向け予約システムを連携させる。
  • JR西とANAは2024年3月から予約一本化を開始済み。
  • 2026年度には和歌山エリアでJAL国内線とJR西周遊パスの連携商品を設定。
  • 2026年6月1日以降、訪日客向けに「WEST QR関西・南紀エリアパス」とJAL羽田〜南紀白浜便のセット商品を販売。
  • 両社は取り組みを「移動体験の共創エコシステム」と位置づけ、3つの価値提供に挑戦する。
  • JALは2025年度に「つながる、二地域暮らし」プログラムを実施し好評を得た。

鉄道と航空の垣根を越えた予約統合へ

JR西日本は30日、日本航空(JAL)および全日本空輸(ANA)との連携強化を発表した。2030年代をめどに、鉄道と航空の予約から決済までを一つのサイトで完結できるシステムを構築する。 現在、利用者は各社のサイトを個別に訪れる必要があるが、JR西の予約システムとJALのシステムを連携させることで、一つのサイトでの予約が可能になる。各社の既存サイトは残しつつ、スマートフォンアプリでも相互に予約できるようにする。 ANAとは訪日外国人向けの予約システムを連携させる。JR西とANAは2024年3月からすでに予約の一本化を進めており、ネット予約サービス「e5489」とANAの「旅CUBE」を通じて鉄道と航空の予約・決済が可能となっている。

「移動体験の共創エコシステム」で地域課題解決

両社は本協定を「移動体験の共創エコシステム」と位置づけ、3つの価値提供に挑戦するとしている。「顧客体験価値の向上」「交流人口の拡大」「関係人口の拡大」を掲げ、鉄道と航空双方の強みを組み合わせて西日本エリアの社会課題解決を目指す。 日本の人口減少が続く中、地方創生とインバウンド旅客の地方誘客が急務となっている。鉄道と航空が連携して広域な人流を戦略的に生み出すことで、地方誘客の促進と持続可能な地域経済の活性化の両立を図る。 具体的には、まず関西空港駅を発着する特急「はるか」をはじめとした鉄道や、西日本を便利に周遊可能なパスをJALの公式SNSで推奨するなどの取り組みを検討する。

2026年度、和歌山エリアで先行施策

2026年度には和歌山エリアでの協業施策を強化する。JAL国内線とJR西日本の周遊パスを連携させた旅行商品を設定するほか、JR西日本の特急「くろしお号」の一部車内で、JAL客室乗務員による特別サービス(地元案内・食体験等)を提供する予定だ。 訪日外国人旅行者向けには、JR西日本の「WEST QR関西・南紀エリアパス」とJALの羽田〜南紀白浜便の航空券がセットになった旅行商品を、2026年6月1日以降順次、海外の主な旅行会社で販売する。 また、JALは2025年度に、マイルによって交通費負担を軽減する二地域居住プログラム「つながる、二地域暮らし」を実施し、参加者・自治体の双方から好評を得ている。今後はこのプログラムの拡大も視野に入れている。

JR西日本とJAL、ANAそれぞれと協定締結

JR西日本(本社:大阪市、社長:倉坂昇治)とJAL(本社:東京都品川区、社長:鳥取三津子)は4月30日、「西日本エリアの社会課題解決に向けた連携強化」に関する協定を締結した。同日付でANAとも西日本の地方創生に向けた連携協定を結んでいる。 両社は本協定に基づき、鉄道と航空を組み合わせた旅行商品の企画や、主な拠点とは別の場所で暮らす「2地域居住」の推進に向けた活動にも取り組む。 現時点では、別々に発行しているチケットを1つにまとめるかどうかは今後の検討課題としている。

2030年代に向けたロードマップ

JR西日本とJALは、2030年代を目途に鉄道と航空のシームレスな予約を実現する。具体的には、各社それぞれの会員IDで、それぞれの予約システムから鉄道と航空の両方が予約・決済できることを目指す。 まずは関西空港駅を発着する特急「はるか」や、西日本を周遊可能なパスをJALの公式SNSで推奨するなど、小規模な連携から始める。 この連携により、国内外からの西日本への誘客を促進し、地域経済の活性化につなげる狙いだ。人口減少が進む中、持続可能な地域社会の実現に向けた一歩となる。

業界再編の波? 今後の展望

JR西日本と航空大手2社との連携は、鉄道と航空の垣根を越えた新たなモビリティサービスの可能性を示す。特にインバウンド需要の回復を見据え、訪日客にとって利便性の高い予約システムの構築は急務だ。 一方で、各社の既存サイトやアプリを残す方針であり、完全な統合には時間がかかるとみられる。チケットの一元化も今後の検討課題で、利用者にとっての真のシームレス体験はまだ先になる。 それでも、両社が「移動体験の共創エコシステム」と銘打ったこの取り組みは、地域課題解決と観光振興を両立させるモデルケースとして注目される。

まとめ

  • JR西日本はJAL・ANAと連携し、2030年代に鉄道と航空の予約・決済を一元化する。
  • JALとはシームレス予約システムを構築し、ANAとは訪日客向け予約システムを連携させる。
  • 2026年度には和歌山エリアでJAL客室乗務員による特別サービスなど先行施策を実施。
  • 訪日客向けに「WEST QR関西・南紀エリアパス」とJAL航空券のセット商品を2026年6月から販売。
  • 両社は「移動体験の共創エコシステム」と位置づけ、地域課題解決と交流人口拡大を目指す。
  • チケットの一元化は今後の検討課題で、完全統合には時間を要する。
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