富士通、今期営業利益見通しが市場予想を下回り株価急落
27年3月期の調整後営業利益4250億円はコンセンサスを100億円近く下回り、海外ITサービスやハード、PCの減益見通しが重荷に。

JAPAN—
要点
- 富士通の株価が大幅続落。
- 26年3月期の調整後営業利益は3905億円で市場予想並み。
- 27年3月期の調整後営業利益見通しは4250億円で、コンセンサスを100億円近く下回る。
- 国内ITサービスは順調推移を見込む。
- 海外ITサービス、ハード、PCは減益見通し。
- DRAM価格上昇の影響懸念が強まる。
- 上限1億株、1500億円の自社株買いを発表。
株価急落、ガイダンス下振れが引き金
富士通の株価が大幅続落している。一昨日発表された2027年3月期の業績見通しが市場の期待を下回ったことが直接の要因だ。同社は2026年3月期の決算も同時に発表しており、調整後営業利益は3905億円と市場予想に沿った水準で着地したが、市場の焦点は翌期のガイダンスに移っていた。 投資家は27年3月期の調整後営業利益が4250億円にとどまる見通しに失望した。この数字は市場コンセンサスを100億円近く下回る。株価は売り一色となり、下落幅は一時大きく広がった。
国内ITサービスは堅調も、海外とハードが足を引っ張る
事業セグメント別に見ると、国内ITサービスは順調な推移が見込まれている。しかし、海外ITサービスやハードウェア、パソコン事業は減益見通しとなっており、全体の収益を圧迫する構図だ。 特に海外ITサービスは、競争激化や為替変動の影響を受けやすい。ハードウェア部門では、サーバーやストレージの需要減退が収益を押し下げる見通しだ。パソコン事業も市場全体の縮小傾向に直面している。
DRAM価格上昇が懸念材料に
業績見通しに影を落とす要因の一つが、DRAM価格の上昇だ。半導体メモリーのコスト増が、富士通の調達コストを押し上げる可能性がある。同社は自社製品にDRAMを広く使用しており、価格上昇は利益率の低下に直結する。 市場では、DRAM価格の上昇が今後さらに加速するとの見方もあり、富士通の収益計画にリスクをもたらしている。
自社株買いで株主還元を強化
富士通は同時に、上限1億株、1500億円の自社株買いを発表した。これは株主還元の強化を狙ったもので、株価下落に対する一定の下支え効果が期待される。 しかし、市場の反応は冷ややかだ。自社株買いの発表にもかかわらず株価は下落を続けており、投資家は業績見通しの弱さをより重視している。
今後の焦点は海外事業の立て直し
富士通にとって、海外ITサービス事業の収益改善が急務となる。国内市場が堅調であるだけに、海外事業の不振が全体の足かせとなっている。同社はこれまで海外事業の再編を進めてきたが、成果が表れるまでには時間がかかりそうだ。 また、ハードウェアやPC事業の構造改革も課題だ。これらのセグメントは長期的に縮小傾向にあり、新たな成長分野へのリソースシフトが求められる。
アナリストの見方は分かれる
今回のガイダンス下振れを受け、複数のアナリストが富士通の業績予想を下方修正する可能性がある。市場コンセンサスとの乖離は100億円近くに達しており、目標株価の引き下げも予想される。 一方で、自社株買いや国内ITサービスの堅調さを評価する声もある。短期的な株価変動は激しいが、中長期的な成長ストーリーが描けるかどうかが焦点となる。
まとめ
- 富士通の27年3月期営業利益見通しは4250億円で、市場予想を100億円近く下回った。
- 株価は大幅続落し、投資家の失望感が広がっている。
- 国内ITサービスは堅調だが、海外ITサービス、ハード、PCが減益見通し。
- DRAM価格上昇がコスト増要因として懸念されている。
- 上限1500億円の自社株買いを発表したが、株価下落を止めるには至っていない。
- 海外事業の立て直しが今後の業績回復の鍵を握る。



