EVモーターズ・ジャパンが民事再生法申請、万博バス96億円返還請求に直面
大阪メトロが購入した148台の電動バスに相次ぐトラブル、安全性確保困難と判断し路線転用を断念。

JAPAN—
要点
- EVモーターズ・ジャパン(EVMJ)が民事再生法を申請、負債57億円。
- 大阪メトロがEVMJに購入代金96億円の返還を請求。
- 国や大阪府市の補助金40億円以上が投入されたが、返還要求が発生。
- 大阪メトロは2022~24年度にEVMJから190台のEVバスを購入。
- 昨年9月、国交省がEVMJに立入調査を実施し総点検を指示。
- 今年3月末、大阪メトロは路線バス転用の中止を発表。
- 西村康稔元経産大臣が昨年4月、Xで日本企業製バス導入を奨励する投稿。
万博EVバス、96億円の代金返還請求と民事再生法申請
大阪・関西万博で使用された電動バスに相次ぐトラブルが発生し、大阪メトロは販売元のEVモーターズ・ジャパン(EVMJ)に対し、購入代金96億円の返還を求めている。EVMJは4月14日、資金繰り悪化を理由に民事再生法の適用を申請した。負債総額は57億円に上る。 大阪メトロは2022年度から2024年度にかけてEVMJから190台のEVバスを購入し、うち150台を万博会場への移送などに使用したが、開催期間中からバッテリーやモーターの不具合が頻発。昨年9月には国土交通省が立入調査を実施し、総点検を指示したが、問題は解決しなかった。 今年3月末、大阪メトロは安全性確保が困難として路線バスへの転用を断念。4月14日には購入代金の全額返還を請求したことを明らかにした。EVMJはこれに対し「運用停止は会社の個別判断であり、契約解除は認められない」と反論している。
業者選定の経緯に不透明感、中国BYDからEVMJへ変更
この問題で注目されるのが、業者選定の経緯だ。大阪メトロの子会社である大阪シティバスの取締役会は、当初「国内で実績のある中国・BYD製がベターだ」と提案していた。しかし最終的に、実績の乏しいEVMJが選ばれた。 公明党の杉田忠裕市議は「なぜEVモーターズ社から購入することになったのか、その経緯が不透明だ」と指摘する。EVMJは2019年創業で、大阪メトロが購入を決めた当時は赤字決算だったという。 背景には、自民党選対委員長の西村康稔元経済産業大臣の影響があった可能性が指摘されている。西村氏は昨年4月、X(旧ツイッター)に「大臣当時、大阪のバス会社が中国製EVバスの導入を進めていたことに危機感を抱き、日本企業製のバスの導入を奨励」と投稿していた。
「EVバスの墓場」と化した野ざらしの車両
大阪市城東区には、「EVバスの墓場」と呼ばれる敷地が存在する。大阪メトロが万博使用後に路線バスに転用する予定だったEVMJのEVバスが、使われないまま100台以上も野ざらしになっているのだ。 これらのバスは、バッテリーやモーターの不具合が原因で運用停止に追い込まれた。国交省の立入調査後も改善が見られず、大阪メトロは安全性確保は困難と判断した。 地元の経済記者は「安全性確保は困難とダメ出しをされたEVバスに競争力があるはずがなく、支援するスポンサーが現れる可能性は低い。事実上の倒産といえるだろう」と指摘する。
40億円超の補助金、返還要求へ
大阪メトロの購入費には、国や大阪府市からの補助金40億円以上が含まれている。国土交通省は既に補助金の返還を要求している。 EVMJが民事再生法を申請したことで、補助金の回収はさらに困難になっている。スポンサー支援による事業再生を目指しているが、競争力のないバスを引き継ぐ企業が現れる可能性は低いとみられる。 大阪市が100%株主である大阪メトロは、莫大な損失を被る恐れがある。市長の横山市長は4月24日の会見で、業者選定の経緯について質問を受けたが、詳細な回答は避けた。
経済安保の旗印が裏目に
この問題は、「中国産より国産を」という経済安全保障の旗印の下で進められた業者選定が、結果的に巨額の補助金を無駄にした可能性を示している。西村元経産大臣の投稿が、実績のあるBYDから実績の乏しいEVMJへの変更に影響を与えたとの見方が強い。 EVMJは民事再生法申請後も事業継続を模索しているが、信頼回復は極めて困難な状況だ。大阪メトロは96億円の返還請求を法的に追及する構えで、今後の法的手続きが注目される。 万博の「負の遺産」として、この問題は日本の電動バス産業の信頼性にも影を落としている。
今後の展望:スポンサー不在なら事実上の倒産
EVMJは民事再生法の下でスポンサー支援による事業再生を目指しているが、専門家は厳しい見方を示す。安全性に問題があるとされたバスに市場価値はなく、支援企業が見つかる可能性は低い。 大阪メトロは既に代替バスの確保を進めており、今後の路線バス運行に支障が出ないよう対応を急いでいる。しかし、96億円の返還が実現するかは不透明だ。 この事件は、国産優先という政策判断が、実績や安全性の検証を軽視した結果、公金の浪費と企業の破綻を招いた典型例として、今後の調達プロセスに警鐘を鳴らしている。
まとめ
- EVモーターズ・ジャパンが民事再生法を申請、負債57億円。
- 大阪メトロが購入代金96億円の返還を請求、安全性確保困難と判断。
- 国や自治体の補助金40億円以上が投入されたが、返還要求が発生。
- 業者選定は中国BYDから実績の乏しいEVMJに変更され、不透明な経緯が問題視されている。
- 西村康稔元経産大臣のX投稿が選定変更に影響した可能性。
- スポンサー不在なら事実上の倒産、公金の無駄遣いが確定する恐れ。





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